台湾国語について—台湾の国語の教科書.その1
今日は、中国語学習について。台湾の「国語」の教科書を見てみた感想です。
今迄、外国人向けの中国語の教科書を使っていた私ですが、先月から台湾の小学校で使われている、国語の教科書を使っています。
■台湾国語
まず「国語」と言う名前ですが、台湾でも日本と同じく国語という教科名なんですね。
日本は一国一言語、単一民俗にするのが好きなので、「日本国には日本語しかあり得ない=国語なのである」というアイヌや琉球や地方を無視した教科名。
以前、日本人から「ブラジルはブラジル語?」「台湾は台湾語?」と聞かれたことがあります。国語という考え方がそういう考え方を生んでいるんじゃないかと思いますがどうなんでしょう。
アメリカやイギリスでは、national language ではなく、English という教科名だとか。国語は日本だけか、とぼんやり思っていたので、台湾の「国語」を初めて知った時は、少し驚きました。
「あなた中国語お上手ですね」と台湾人が言う時の「中国語」という表現は、「中文」が多いかも。少し上の世代…40、50代の人からは「國語」という言葉を聞くことが多いかもしれません。
多分若い人が「中文」というのは、政府の教える国語の「国」が、台湾を指すのか、大陸も含めた”本当の”中華民国を指すのか、なんて色々な立場の問題があってのことなんだと思います。
これは推測ですが、40、50代の方から外国人の私に対して「国語」を無意識に使うというのは、自分達の使う台湾語とは違う、「学校で習う国語という言語」を指してるんじゃないかなぁと。
台湾に来たばかりの時、「国語」という語を使ったら、若者から注意されたこともありました。戒厳が解除された後、いろいろな政治的立場が生まれてきて表現方法一つにとっても敏感になってきたんでしょうか。
日本と同じく、お国言葉を禁止して(方言札とかありましたね)「国の言葉」として「国語」を教える、国民国家を造る手段としての教育には当然の教科名なんでしょう。台湾でも昔、学校での台湾語が禁止されていたそうです。
そういった複雑な事情があるので、台湾では中国語を指して「中文」とか「華語」と言うのが良いと思われます。
中国語、中国話、普通話、北京語、北方官話、台湾華語、中文……大陸でも台湾でも、エスニシティ、政治、文化や言語で色々と範囲が微妙に重なりつつも違う表現なので、中華圏外出身の私には未だに分からない違いも多いですが。興味深いものです。
教科書の中身については、また次回。
(2013.7.5追記)
【中国語】的、得、地の使い分け—台湾の国語の教科書.その2
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