外省人に聞いた二・二八事件、和平紀念日
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最終更新日:2014/09/05
台北生活
2月28日、和平紀念日。台湾の休日。二・二八事件(wikipedia:二・二八事件)が起きた日。
この記念日であった木曜日、台湾人の友人(30代前半の外省人)とこの事件について話して、今迄の理解と大分違う見方に衝撃を受けたので、記しておく。
※注:外省人は戦後、中国大陸から台湾にやって来た人のこと。その前から居た人は本省人
彼は、「今日出勤しなくて良い」という前日に送った私のメールに困惑したそうだ。何故今日が休日なのか分からなかったらしい。彼が大学院生で毎日登校しないというのもあるが、どうやらこの休日は最近制定されたようだった(wikiによると1995年3月に制定。休日となったのは2006年12月8日以降)。
彼は、和平紀念日は何の為の日かと尋ねてくる。私は当然のように「悲劇を忘れない為の日。近代台湾の悲劇から平和を考える日でしょ?」と答えると、「いやそれは違う」と否定される。
以前から、228公園にある記念館の展示を見たり、ネット情報を見たり、台湾の歴史に関する本を読んだりして、知ってるつもりだった。ちょっとショック。
私の228事件についての理解は次の通り。「戦後、古くから台湾に居た人(本省人)と、国民党と共に来た人(外省人)の内戦。」
日本統治時代を通して台湾に居た台湾人の物売りのおばちゃんと警察(外省人)とのイザコザをきっかけに、デモになったり、台湾全土で本省人と外省人が戦いを繰り広げたと。(詳しくはwikipedia:二・二八事件 をご覧下さい)
なので、戒厳が終わって民主化が進み、近年になってこの事件を振り返るのは、言語や歴史や民族が複雑に絡み合うこの国では大事な日なんだろうなーって勝手に思っていたんだが。彼に言わせれば、それは違うらしい。彼曰く「これは外省人と本省人を分断させる日。」とのこと。
ここで背景を凄く大雑把に説明。
外省人は戦後に大陸から来た。国民党支持者が多い傾向。昔は権力者が多かった。
本省人は日本統治前に台湾に来た。民進党支持者が多い傾向。
続けて「祖母の若い時は両者結婚もできなかったけど、母の時代には既に混じり合ってた。それを、今になって掘り返して、記念日にして。これは支配された歴史を強調して、本省人のアイデンティティを呼び起こす為の民進党のパフォーマンス」
「事件のキッカケになったおばあさん、國語が話せなかったから警官といざこざが起きた。大体、この事件の間に本省人だけじゃなくて外省人も亡くなっている」
そうか、そうも取れなくはないな。今まで読んだ本やネットの情報では、ほぼ「権力者=外省人の圧政、腐敗、言論統制、恐怖政治、國語強制」という視点から歴史をなぞっていたので、驚いた。
対立政党批判なのか、抑圧した側と語られる外省人という立ち位置からなのか、戒厳や外省人による支配を過ごしていない世代としての違和感からなのか、何にせよとても興味深い意見。
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