台湾ドラマに夢中なう|「犀利人妻」
公開日:
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最終更新日:2014/09/05
ニュース・芸能
2011年、台湾で話題となった不倫ドラマ「犀利人妻」をご紹介。
2人の男が子育てをする台湾ドラマ「兩個爸爸」にはまったのをキッカケに、最近では暇さえあれば…睡眠時間を削って台湾ドラマを見続けています。
金持ちを追い続ける女性モデルが主人公の「拜金女王」(日本語タイトル:王子様の条件)を消化して、昨日は「犀利人妻」を観終わりました。2週間で計37話、46時間……我ながら何と言うハイペース。
この「犀利人妻」は、台湾では有名なドラマです。2011年6月に放映開始されて、劇中で出て来る「小三」(浮気相手を意味する”第三者”から。)という言葉は流行語にもなりました。日常やニュースでも「小三」を使うので、かなり根付いている表現なんでしょう。
私の友達で見ている人は居なかったのですが、2012年に映画にもなったので、ある程度人気はあったんでしょう。
日本語タイトルは「結婚って、幸せですか」。今年2013年、規模は小さいながらも日本でも映画も放映されました。
あらすじ:仕事万能、イケメン、他の女性には目もくれず妻に優しい夫。幸せな家庭を守る主人公の専業主婦。 ある日、主人公の従兄弟(女性)が数日同居することに。この従兄弟が夫と一つ屋根の下、妻の至近距離で複雑な関係が始まります…恐怖!。
夫の妻に対する罪悪感、従兄弟の抱く奥さんへの罪悪感…でも止まらない!走り出したらノーコントロール。共感はできないけど、きっとこういう状況にならないと分からないし、実際に共感する人も居るんだろうなぁ…なんて色々考えてしまいました。…途中までは。
日本語版のダイジェストがあった:
以下、ネタバレありの感想:
罪悪感を抱く従兄弟、最初は、奥さんを裏切る罪悪感から涙を流したり、旦那さんに向かって「お姉さんを裏切っちゃだめ」など大人しくしています。が、夫相手にわざわざ「私は天涯孤独なの」アピールを始め、中盤からは人が変わって行動がエスカレートします。
二人の関係がバレてからは、なりふり構わない暴れっぷり。上司のスキャンダルを公表したり、奥さんの子供をいじめたり…。終いには、旦那さんに離婚を迫ります。あれ…「お姉さんを裏切っちゃだめ」ってのは何だったんですか。あまりの暴れっぷりに、後半も最終回直前になって突然「心の病気なんじゃないか」という話が出て、急に精神科医が出て来て「実は病気なのよ、あなた」と従兄弟ちゃんを諭します。治療には時間が掛かるものなので、闘病ステージかと思えば、数日後には20数年来の愛の飢餓からの病気が治った様子。治ったらこれまた急に、自分のために奥さんを捨てた旦那さんに「愛してないから、アメリカ行く」とサラーッと話します。
きっと最終回に向けて、暴れっぷりが引っ込みつかなくなったので「実は病気でした–>即治る–>退場させて夫を孤独に」としたんでしょうが、なんだかなぁ。せっかく結婚生活のリアルな事情とかに考えを巡らせていたのに、ドラマのテーマが病気で片付けられると、夢落ちみたいで萎えますね。
ただ、いい点も幾つか。
奥さんの常に前向きな姿は好感が持てる。後半、関係発覚から立ち直る時には「不要怕,不要怕」(怖がる必要はない)と言いながら前進していきます。
従兄弟の、なりふり構わない姿を見ながら自分の行動を振り返ってしまいます。悲しい時、辛いとき、自暴自棄になるのを自分に許して甘えてしまう事もあるからです。さらに、彼女は本当に旦那さんの事を好きだったのかなあとも考えます。私はよく人と話し終って、「確かに目はあってたけど、果たして本当に相手の目を見て話していたのか」と自分に疑問をもちます。確かに目を見てはいるんだけれども、心で相手に耳を傾けているか、というのは常に疑問に感じていることです。従兄弟さんは(私の個人的な解釈ですが)自分を愛し過ぎていたのかもしれません。人との接し方の前に、自分とキチンと接するというのは自立して人を愛するのに必要なんですねぇ。
さて、その最終回の後日談として、映画「犀利人妻最終回:幸福男·不難」が昨年2012年に公開されました。
タイトルに最終回とあるように、後日談なので、メチャクチャな人間関係は出て来ません。筋は通っていますが、ドラマ視聴者へのファンサービス的な内容なので、きっと映画だけを見ると退屈な内容でしょう。
にしても、色んな意味で刺激が強いが内容だったので、今放映中で夢中になっていた幸せファミリードラマ「兩個爸爸」への興味が殆ど薄れてしまった(汗)
やはりドラマは、ドロドロの人間関係をヤキモキしながら楽しみたい…と「渡る世間は鬼ばかり」や「牡丹と薔薇」で育った私は思うのでした。
ところで、20−30代の同僚に「犀利人妻」を観ていると話すと、皆一様に微妙な反応だったので、少なくとも中国語の教材としては良くない模様ですw
たくさんの上品ではない&皮肉表現を学ぶ事ができます。
(2013.7.30追記)
DVDボックス、日本語字幕は勿論ノーカットって気になる…。日本では映画版は今プロモーション中みたいだから、映画版は売ってないんですねぇ。
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Comment
はじめまして、先週台湾から帰国する際のチャイナエアーの中で、この映画を見つけました。ドラマにどっぷりはまってしまっていたので、台湾本土で映画、さらには先日の沖縄映画祭でも上映されたという事で、本当に悔しい思いでおりましたら、かなり嬉しい悲鳴でした。
私の希望通りの展開になったので、物足りなさは全くなく、本当に良かったわ~、という感じでした。。。ところで台湾では、このDVDは販売されているのでしょうか?日本では入ってくる予定すらなさそうです。。
ちなみに「ヨウシュン」さんは今、台湾ドラマで出演しているのはありますか?
ps)ブログも興味深い台湾の生活(台湾の人はお給料が安い)など、実際に先日台湾で、知り合いと話したので、すごくリアルに感じました。また読ませていただきます。
tawawa さん、
はじめまして、コメントありがとうございます!
ドラマを見てない方には「??」な映画でしょうが、スッキリと終わらせてくれた感じでしたね。私も個人的には良い終わり方だったと思います!
このDVDは、台湾ではドラマと映画版両方出ていますよ。日本ではドラマ版のdvd boxが出ているようですね。映画は先日沖縄で上映したばかりなので、未だ発売していないんじゃないかと思います。
宥勝、wikipedia 見てみると現在放映中のドラマは主役級ではなさそうです。この電視劇という欄で確認できますよー
https://zh.wikipedia.org/zh-tw/%E5%AE%A5%E5%8B%9D