親日と反日
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最終更新日:2014/04/12
ニュース・芸能
久々のブログ。この一ヶ月間に書かなくては、と思う事が起きた。良い機会なので書いておこう。
台湾ニュース番組内での日本のニュースの扱いは大きい。「松嶋菜々子が家政婦役に」というネタから「アユ離婚」まで。震災への義援金が200億円を超えても全力で報道されなかった日本国内とは状況が違いますね。なんとなく、一方通行。もちろん、台湾人の間にも日本に対しての誤解や「幻想」が広まっているので、どっこいどっこいですが、情報量としては台湾人の方が日本に対して興味を持っていると思う。
今、台湾では日台ハーフの芸能人Makiyo と彼女の日本人の男友達が起こした事件で持ち切り。この2月から後部座席シートベルト着用が義務づけられたけど、それをお願いした運転手がMakiyoの男友達に殴られ重傷というもの。
更に、記者会見では運転手の態度が悪かった、など相手のせいにした態度もあり、火に油を注ぐ結果に。
Togetter 台湾で起きた、日本人によるタクシー運転手殴打事件
日本人全員が悪い、と考える台湾人はごく一部だと思う。
でも、twitterなどで「震災に助けてくれた台湾人の熱が冷めちゃう」「反日になっちゃう」みたいな反応を見ると、ソレは違うのでは、と思う。
Makiyoとその男友達、個人の起こした事件ではあるけど、その事件と上述の反応を含めて日本人の見方に問題がある気がする。
これは日常から感じていることだけど、多くの日本人は「親日国家」である台湾に幻想を抱いていると思う。
「反日」「戦後補償」「世界の皆様、ごめんなさい」と小中学校で刷り込まれてきた僕は、親日と聴くと正直な所少し誇らしい変な気持ちになる。友達にも、台湾に引越すと告げると、「親日だし、日本人はモテるよ」「食事は安くておいしい」という反応が多数。
親日は親日だけど、彼らは日本に対して全面的にいつでも考え無しに肯定することはしないと思う。ありがたいことに、長所短所や歴史をみて、その上で親日なのだと思う(少なくとも彼らは、日本人が台湾を知るよりは”日本時代”の歴史や今の日本を知っていると思う)
ただ、日本人は全面的に肯定しないと敵。「ここは同意出来ないけど、この部分は同意するよ」というのが理解できない性質があるのかもしれない。批判され慣れしてない。批判しようとすると攻撃になってしまう。。。
昨年、台湾で大ヒットした映画セデックパレの日本での紹介のされ方にもあると思う。
入植する日本人に対する原住民による蜂起「霧社事件」を扱った映画。歴史を扱っただけで日本では「台湾で反日映画ヒット」という扱いをされていた模様。日本の第二次世界大戦の映画も、反米映画になるのだろうか。。。
「安くて美味しくて日本人モテモテの国」の人に裏切られた気分になったんだろうか。そうだとすれば、台湾を見下して馬鹿にしていると思うし、事件を起こさないだけでMakiyoらと大差ないように思う。
親日国家相手に日本人が尊大になるとか、反日国家相手に日本人が卑屈になるとか極端ではなくて、それぞれの事象を分けて考えなければなあと思う。
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