区画で示す住所表記(街区方式)は日本だけ?
公開日:
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最終更新日:2013/07/28
つれづれ
今回は、街区方式と道路方式。日本の住所表記と海外のそれについて。
最近、語彙や表現は少ないものの、中国語の方が英語よりも出て来て仕事に支障が出ている私です。勉強して常にアウトプットしようとしてると脳がそういうモードになるんでしょう。
対策として、仕事が単純作業の時にはTed Talkを聞きながらシャドウイングをしています。シャドウイングとは、聞きながら同じ事を呟くことです。リスニングとアウトプットを同時に鍛えます。大学の頃、通訳養成者学校でバイトをしていた時に知りました。
■区画と道の名前
さて、それを聞いていると、このビデオの中で面白いことを知りました。
Drek Sivers “Weird or just different” (日本語字幕有り)
日本は区画(ブロック)に番地があるけど、全ての通りに名前はない。
海外では、道に名前はあるけど区画に名前がない。区画は、あくまで道と道と間のスペースに過ぎない、と。
よく海外との住所の話になると『順番が逆』とか言いますが、それよりもこの違いの方が大きいんじゃないかと思います。
海外の道の名前で表す住所の例として、台湾のを挙げます
市区(Town, City, District)で大まかに場所を特定して、その中の街や路(Street)を表示。その道からさらに小道に入る場合には巷や弄(Lane)で道を特定します。※弄よりもさらに小さい衖という単位も有る。あまり見かけない
家の番地は、その道沿いの何件目に立っているか、を示す号(No.#)で表す。
道が長い場合や区を跨ぐ場合、番号表記は国や行政によって違うらしい。台北では、区は関係なしに、道を段(Section)に区切って1段の100号、2段の200号と分ける。他の国では、段ではなく行政区で区切って、XX区XX街100号。区を跨いだらOO区XX街1号になるところもあるらしい。
■区画表記(街区方式)は日本だけ?
この日本の区画表記は街区方式と言い、海外で一般的な道の名前表記は道路方式というらしい。
前に勤めていた貿易会社で欧州、中東、アジア各国に書類を送付する時に書いた住所の宛名も道路方式で、長ったらしいなぁと思っていたものでした。その時、20-30カ国と取引していましたが日本と同じ様な住所はみた記憶がありませぬ。
日本の街区方式は英語で書いても短く書けるので、良いなぁと思ったものですが。
ググってみると韓国も昔は区画制だったようですが、2007年に通りの名前基準に変更されたようです。
地球の歩き方/韓国・ソウル特派員ブログ「韓国の住所表記が変更に」
他には例を探せなかったので、今では日本だけ…もしくは極少数派なんでしょう。昔の韓国システムも、もしかしたら日本統治時代のシステムを引き継いでいただけなのかもしれません(あくまで想像)。
■何故、街区方式になったのか
通り表記の方が、慣れると初めての場所でも辿り着き易いです。でも、私は「日本が遅れてる」とは思いません、ただ考え方が違うだけです。むしろどうして日本が区画表記になったのかに興味があります。
ググると制定の経緯は見つかりますが、道路方式ではなく街区方式になった理由や、海外との思想的な違いに触れたものが見つかりません…。なので想像して理由を考えてみようとおもいます。
現代の住所表示制度の元になったのは、明治4年の最初の戸籍制度らしい。ここまでしか手がかりが無いのであとは勝手な想像。
やっぱりムラ社会の考え方が、区画で住所を区切る考え方に結びついたんじゃないかな、と思う。それに明治政府も、天皇を中心とする新しい政体を確立して、人民を一致団結させて管理する必要もあっただろうし。日本人の習慣と、政治の思惑の両方にマッチしていたんじゃないかなぁ。
今でも町内会なんてシステムが稼働してるぐらいだから、区画内の仲間、ご近所さんという意識は強いんじゃないだろうか(今や薄れつつあるとは言えど)。ほかにも避難所の区画、公立校の通学範囲、消防、ゴミ回収車の曜日…区画で仕切られた「仲間」範囲は現役ですね。
そんな生活スタイルには、道路方式はやっぱり合わないと思う。たとえば、「山本街の1番から20番、田中街の40番から100番、田中街50巷1番から40番」が一組。と言うより、「山本町の皆さん、田中町の皆さん」が一組と言った方がご近所さんっぽい。
やはり日本の特異なシステムだけに、何故そうなったのか気になるなぁ。こんな所からも「日本人」が何なのかを考えるキッカケになるように思います。
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