台湾南部への旅 ー 台南 part.2 古跡巡り編ー日本統治時代の建物を中心に

公開日: : 最終更新日:2014/07/20 台湾南部 ,

「台湾の古都」と呼ばれる台南。2日目は朝から夕方まで、古跡巡りと食い倒れに始終大忙し。余りに観光スポットが多いので、古跡巡り編と、食い倒れ編の2回に分けてお届けしまっす!今回は古跡巡り編
台南1日目の様子はこちら…
高雄の旅はこちら…

■台南中心部の古跡

台南の古跡は、東門圓環と呼ばれる附近に密集してる。一旦タクシーか何かでこの辺りに着けば、午前中の涼しいうちに3時間もあれば歩いて一通り回れる。
午後は昼食やお茶を挟んで、有名な赤崁樓(少し離れている)に行けば、台南中心部の主な古跡は見て回れるはず。
まずは、今回観に行った所の地図を作ってみた。密集してるように見えて、これでも極一部。小さな所も含めればこの地図が真っ青になるはずw
今回巡った古跡の地図(一部)@台南

■國立台灣文學館

まずは地図右上のロータリーに有る國立台灣文學館へ。
元々は、1916年に完成した日本時代の台南州廳の建物、言わば役所ですな。戦後のゴタゴタを経て、中華民国の台南市役所へ。1999年からは台湾文学館として博物館になってます。
入り口付近には、この建物の修復の様子を展示。奥には常設展として台湾文学の展示。清代、日本時代の日本語文学、その後の中国語文学など幅広く展示、文学史と共に歴史の側面も見られる面白い展示になってた。日英中のオーディオ解説ヘッドセット貸出し有り。その他、企画展の展示や図書館も併設されてるので、時間があれば長居ができそう。
國立台灣文學館(旧・台南州廳)

■台南合同廳舍

で、文学館の入り口の向かいには、こんな消防署がある。これも日本時代の建物で1930年創建。中文wikipedia:原台南合同廳舍によると、真ん中の塔は昭和天皇に上って貰うために作られ、当時は御大典紀念塔と呼ばれたらしい。

旧・台南合同廳舍

■台南市警察署

文学館の脇、南門路を南に向かった交差点に、警察署がある。1930年に完成したものらしい。近年まで使われていたのかクーラーも取り付けられているが、近寄って入り口から中を覗いてみると放置されて半廃墟になっているのが分かる。
帰ってから調べると、2010年に警察局が移転。今は美術館の予定地となっているらしい。台湾の日本時代の古跡は倉庫でも役所でも美術館・博物館になっているのが多い気がする。まぁ日本でもそうだけど、できれば古跡のまま見たいなぁと。でも「台湾を占領していた敵である日本」時代のモノが遺されて、今も有効活用されてるのは何にせよ凄いなと思う。
旧・台南市警察署

■台南孔子廟

孔子様といえば、東京は湯島天神など日本でもお馴染みの偉人です。台湾でも多く祀られている中、ここ台南の孔子廟は台湾の中でも一番古く、1665年頃に建立された所。その為、門の入り口には「全台首学」の文字が掲げられている。
この建物の装飾は、道教のそれと比べれば地味だが、それでも華やか。読んでも意味の分からない四字成句が沢山掛かっていた。
廟の周囲には、祭事の歳に使われる楽器、衣服、補修前の元々の建物の一部などを展示していた。
面白いのは廟の真裏の建物。事務所っぽいところに2人のおじいちゃんが扇風機を付けて、何か食べながら雑談していた。多分、お仕事中なんだろうけどココに住んでいる雰囲気。まったりしていて顔がほころぶ。
台南孔子廟

■旧・台南愛國婦人會館

孔子廟の南側の向かいに経つ、日本時代の建物。前身は台南愛國婦人會館。戦後は赤十字支社や図書館の分店などを経て、今はどうやら台南市の観光案内所のような施設になっている模様。
一階は土産売り場と展示場。行った時は、ちょうど台湾のアメリカ留学の歴史という珍しい展示していた。
二階は、和室。今迄見た少ない台湾の和室の中でも、割と綺麗に保存されていた。畳の匂いもプンプン。
一階のおばちゃんは、台南の観光スポットを多く教えてくれた。地元企業の箇所を大プッシュしたり、おばちゃんの着ている蛍光色のベストから考えると、台南市の観光案内所みたいな役割の施設なんだと思われる。ま、良い感じの施設です。

愛國婦人會館

 ■忠義國小内の台南神社社務所・武徳殿

愛国婦人会館の向かい、孔子廟の隣には忠義國小という小学校があります。小学校の施設内には、台南神社の社務所と武徳殿があり。入り口の門が少し開いていたのでお邪魔してフォトセッション。どうやら観光地化されているので、邪魔にならない範囲ならOKっぽい。
台南神社は既に無いが、社務所だけ残ってる。小学校の図書館となっていたので、中にははいれません。

旧・台南神社の事務所
武徳殿も、小学校の敷地の中にあり。礼堂として使われているらしいが、でっかい!高雄の武徳殿の2倍ぐらいはあるんじゃなかろうか。入り口付近の屋根の造りがカッコいい。見たのは丁度日曜日。小学生が竹刀を担いでいたのを見たが、ここでも剣道や武術を教えているんだろうか。
台南武徳殿

■台南地方法院

小学校を右手にずっと進むと、2〜3分で台南地方法院が左手に見える。1912年の建物。戦後も台南地方法院として利用されていたが、老朽化により2001年に引越し、以降ずっと修復作業中らしい。以前は西側に高い塔が建っていたがこれは復元の計画はないとのこと。残念。修復後は司法博物館になるとのこと。内部も観に、また行きたい。

台南地方法院

■台南山林事務所

少し戻って、武徳殿の裏手の路を挟んだ向かいには、立派な洋館がドーンと建っている。1925年〜1945年の間に建てられた、旧山林事務所。台南の産業として林業を積極的に推進していたらしい。戦後も林業の管理所として利用された後放置。2003年に観光案内所となった。
少し前のガイドブックには、一階がレストランで…と書いてあったので期待してたが中文文学の展示室になっていた。二階は読書室と洋室。個人的に見るものが特に無かったので、建物を見るのが一番。

■台南測候所

1898年の建物。日本による統治の初期に建てられた。やはり気象というのも国を管理するのに大事なんだろう。農業や土地計画、生産計画…戦争になれば風向きや降雨量も。
戦後も気象観測所として使われていた。真ん中の白い塔は1980年、周囲の高層ビルの影響を少なくする為に後から建てられた風力塔。
2004年、修復後には展示場として一般に開放されているらしい。けど行っても開いてなかった。台湾の気象局のウェブサイトを見ると、確かに見学開放中とあるけど2004年当時の情報っぽい雰囲気も伺えたのでもしかしたら止めたのかも…。
台南測候所
測候所の裏には、工事中の建物が。路上にあった台南市古跡マップを見ると、料亭だったことが分かる。表に説明書きもなかったけど、これもアートスペースやら博物館やらになるんだろうか。
修復中?の料亭

台南市の中心部は以上!
徒歩で全部で3時間かなぁ。文学博物館で展示を見なければw2時間ぐらいで見られたはず。このあと、昼食を挟んで台南駅の後ろ側にある成功大学を散歩した。

■國立成功大學を散歩

この大学の前身は日本時代の高等学校。今は台湾のトップ大学の一つとして有名。しかし敷地が広い!

キャンバス内の建物
小西門は、キャンパス内にある古跡。むかーしの街と外を隔てた城壁の入り口。今はこの門しか残っていないらしい。修復中なのか遠くから見学。因みにこの門の近くに歴史展示館があった。

しばらく歩くと、大きな木。
日本の「この木なんの木」日立の木と同じように、台湾では國泰(キャセイ)の木として有名。

こちらの中文ブログが写真豊富–> 榕園》百年國泰樹

國泰之樹

■赤崁樓 — 武廟

成功大学でブラリと食後の胃を落ち着けたら、また台南中心部に戻って、台南で有名な古跡・赤崁樓の見学です。この附近は城やら道教のお寺が多いので、ゆっくりと建物の細かい装飾やモチーフを見ながら歩きたいところ。
しかし、帰りのバスの時間が迫っているので、急ぎ足。写真、どのお寺か分からないよ…

まずは武廟。関羽様を祀っているところです。

武廟の天井。梁を担いでいる人が居るの、見えますか
その近くにあった、小さな廟。媽祖の寝台だそうです。以前はこの後方に、媽祖の使うトイレがあったらしいww けど無くなってました。神様のトイレ見たかった…残念。
媽祖の寝台
さて、いよいよ赤崁樓。ここは元々はオランダ時代の城だったらしい。1655年に築かれてから、事件や戦争で被害を受け、清代、日本時代、戦後と大規模な改修が行われた。火薬庫や書院、陸軍病院、学校、廟、古跡一般公開と、色々な政府に様々に使われて来たのを思うと台南の歴史の古さに酔う。
赤崁樓
屋根。鯉が海の波を作っているところ

見た所を列挙するだけで、こんなに長くなってしまった…。
台南の古跡を見て思うのは、オランダ時代のものや廟はもちろん、日本時代のものが多いということ。台南市の中心部は本当に小さいので(郊外も含めた台南市全部の面積は23区合計とほぼ同じ)、日本統治時代のものが密集していて当時の都市計画を肌で感じる。ウマく近代都市を作って搾取しようとしてたんだなぁと。

とにかく、大小含めて無数の古跡があるので、のんびりと巡る旅はオススメ。まだ見足りないので、改めて台南に足を向けたいと思います。

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